結論から
標準的な構成が事業に合い、チームがすでに使い慣れていて、豊富なテーマとプラグインを活用したいならWordPressを選びましょう。提供内容がテーマのセクションに収まらないとき、プラグインの選択肢よりもパフォーマンス、セキュリティ、所有権が重要なとき、プラグインではうまく扱えないシステムとの連携が必要なときは、フルスクラッチのサイトを選びます。どちらがいつでも安いということはありません。公開までの費用はたいていWordPressのほうが安く、速さと安全性を保つ費用はたいていフルスクラッチのほうが安く済みます。
私たちの立場もお伝えしておきます。Dardoが公開しているプロジェクトは、AstroとNext.jsによるフルスクラッチの構築です。この記事はフルスクラッチ側を手がけるスタジオの見方として読み、下の表で私たちの判断を確かめてください。
それぞれの選択肢の中身
WordPressは、GPLのもとで公開されている無料のオープンソースソフトウェアです(WordPress.org)。CMSとしては群を抜いて普及しており、2026年10月12日時点でW3Techsは、全ウェブサイトの40.1%、CMSを特定できたサイトの58.6%でWordPressが使われていると報告しています(W3Techs)。WordPressのサイトには、購入したテーマにプラグインを組み合わせたものもあれば、1つの事業のために作ったオリジナルテーマのものもあります。この2つはまったく別のプロジェクトです。
フルスクラッチのウェブサイトは、汎用のテーマを使わず、自社のコンテンツと訪問者に合わせて設計・コーディングしたサイトです。フルスクラッチでも管理画面がなくなるわけではありません。今日のフルスクラッチのサイトの多くはヘッドレスCMSを使っており、編集者がWeb上の管理画面で書いたコンテンツからサイトがビルドされます。このサイトもその仕組みです。dardo.studioはCloudflare上のAstroで構築されており、ページ、サービス、記事は、下書き、プレビュー、予約公開の機能を備えたヘッドレスCMSで編集しています。
比較表
| 項目 | テーマを使ったWordPress | オリジナルテーマのWordPress | ヘッドレスCMSを使ったフルスクラッチ |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 最も安い | 中〜高 | 中〜高 |
| 公開までの期間 | 最も短い | デザイン作業による | デザイン作業による |
| 編集 | 使い慣れたWordPressのエディタ | 使い慣れたWordPressのエディタ | 自社のコンテンツに合わせて設計したエディタ |
| アップデート | コア、テーマ、すべてのプラグイン | コアとすべてのプラグイン | 修正が必要な部品が少ない |
| 速度 | テーマとプラグイン次第 | 開発者がコントロール | 開発者がコントロール |
| 連携 | ほぼ何でもプラグインで対応 | プラグインと独自コード | 独自コードまたはAPI |
| 移植性 | 投稿と固定ページのXMLエクスポート | 投稿と固定ページのXMLエクスポート | コンテンツは移行できるCMSに、コードは自社のリポジトリに |
| 向いているケース | 予算の限られた標準的なサイト | WordPressを使い続けると決めているチーム | 独自性のある提供内容、パフォーマンス、長期的な所有 |
WordPressが正解のケース
- 構成が標準的。ブログ、サービス紹介サイト、小規模なカタログはWordPressの仕組みによく合い、良いテーマを使えば素早く形になります。
- チームがすでにWordPressを運用している。アップデート、バックアップ、セキュリティ対策の方法を知っている場合です。
- 特定のプラグインが必要。会員機能や特定の予約フローなど、実際の課題を解決するプラグインがあり、自作するよりそのプラグインを使い続けるほうが安く済む場合です。
- 予算が限られ、時間もない。テーマベースのサイトは、それなりの品質のサイトで最も早くオンラインに出る方法です。
フルスクラッチが割に合うケース
- 提供内容がテーマに収まらない。販売しているものを説明するためにテーマのセクションを無理に曲げ続けているなら、構成が足を引っ張っています。
- 速度と安定性が重要。プラグインを追加するたびに、読み込んで更新すべきコードが増えます。WordPress自身のセキュリティガイドは、古いバージョンにはセキュリティアップデートが提供されないと注意しています(WordPressのセキュリティ強化ガイド)。テーマとプラグインも同じで、誰かが最新の状態に保たなければなりません。
- 本格的な連携が必要。決済、予約、CRM、自社データは、プラグインを連ねるよりコードで実装したほうがすっきりすることがよくあります。Superameでは、ランキング、支払いの確認、返金処理をAstroのアプリに直接組み込みました。
- 複数の言語で発信する。フルスクラッチのサイトなら、最初から言語ごとに独自のURLとメタデータを持たせられます。A medio tonoは4言語で運用されており、サイトマップには2,144件のURLがあり、すべてのページにhreflangの代替URLが設定されています。
- すべてを自社で所有したい。コードは自社のリポジトリに、コンテンツは自社で管理するCMSに置き、ホスティングも自分で選べます。
中間の選択肢:ヘッドレスWordPress
WordPressを編集ツールとして残し、公開サイトは別に構築して、WordPress REST API経由でコンテンツを読み込むこともできます(WordPress開発者向けドキュメント)。編集者は使い慣れた画面のまま作業でき、訪問者は速い独自のフロントエンドを利用できます。その代わり、2つのシステムを運用することになり、プレビューや、フロントエンドに影響するプラグインには追加の作業が必要です。
すでにWordPressを使っている場合
WordPressからの乗り換えは、リデザインではなく移行です。WordPressのエクスポートツールは、投稿、固定ページ、カスタム投稿タイプ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、カスタムタクソノミー、ユーザーをXMLファイルに書き出します(WordPress.org)。また、AstroはWordPressからの移行のガイドを公開しています。難しいのは本文以外の部分です。プラグインが保存しているSEO用のタイトル、ショートコード、/wp-content/uploads/配下の画像URL、今もアクセスのあるカテゴリーやタグのアーカイブなどです。それぞれに新しいサイトでの置き場所か、恒久リダイレクトが必要です。その手順はサイト移行SEOチェックリストで解説しています。
決める前に確認したいこと
- 毎週サイトを編集するのは誰で、何を変更する必要があるか。
- 必須の連携はどれか。それぞれに、保守が続いているプラグインはあるか。
- アップデートとバックアップは誰が、どのくらいの頻度で行うか。
- 今、または1年以内に、複数の言語が必要になるか。
- ホスティング、プラグイン、保守、変更を含めて、3年間でそれぞれいくらかかるか。
最後の質問で、ほとんどの判断が変わります。公開時に安くても維持費が高ければ、安いとは言えません。含めるべき継続費用は、コロンビアのウェブサイト制作費用のガイドにまとめています。
Dardoにできること
私たちはウェブデザインとWeb開発のサービスでフルスクラッチのウェブサイトを設計・構築し、ウェブサイト移行のサービスで既存のWordPressサイトを移行しています。WordPressを使い続ける必要がある場合は、依頼内容にそう書いてください。見積もりの前に、私たちが適任かどうかをお伝えします。まずは簡単な依頼内容をお送りください。
よくあるご質問
フルスクラッチのサイトはWordPressより優れていますか?
常にそうとは限りません。標準的な構成が事業に合うなら、WordPressのほうが早く安く公開できます。フルスクラッチのサイトが割に合うのは、提供内容がテーマに収まらないとき、プラグインの選択肢より速度とセキュリティが重要なとき、プラグインではうまく扱えない連携が必要なときです。
WordPressは無料ですか?
WordPressのソフトウェアは、GPLのもとで公開されている無料のオープンソースです。それでも、ホスティング、ドメイン、有料のテーマやプラグイン(使う場合)の費用と、すべてを最新の状態に保つための時間はかかります。
フルスクラッチのサイトは、開発者なしで編集できますか?
CMSを使って構築されていれば可能です。多くのフルスクラッチのサイトはヘッドレスCMSを使っており、チームはコードに触れずに、Web上の管理画面で文章、画像、ページを編集できます。
ヘッドレスWordPressとは何ですか?
WordPressを編集ツールとしてだけ使い、公開サイトは別に独自開発して、WordPress REST API経由でコンテンツを読み込む構成です。編集者は使い慣れた画面のまま作業でき、訪問者はより速いフロントエンドを利用できますが、2つのシステムを運用することになります。
SEOを失わずにWordPressからフルスクラッチのサイトに移行できますか?
移行として扱えば可能です。コンテンツをエクスポートし、アクセスのあるURLはすべて維持するかリダイレクトし、タイトル、ディスクリプション、画像のURLを引き継ぎ、公開後はSearch Consoleを確認しましょう。
出典・参考資料
このページの出典です。詳細は各発行元の原典をご覧ください。
- WordPress.org:ライセンス(GPL)(英語)wordpress.org
- W3Techs:WordPressの利用状況の統計(英語)w3techs.com
- WordPress開発者リソース:WordPressのセキュリティ強化(英語)developer.wordpress.org
- WordPress開発者リソース:REST APIハンドブック(英語)developer.wordpress.org
- WordPress.org:ツールの「エクスポート」画面(英語)wordpress.org
- Astroドキュメント:WordPressからの移行(英語)docs.astro.build
